この肌に 刻んでなら 忘れられね.想ひ 風よ.茜色に染まりゆけと願い 何處か沈丁花(ちんちょうげ)は. 哀しげに 祈祷(いの)り続けたとして. 余りに遠すぎる 幾晩過ぎれば. 廻(めぐ)り遭(あ)える 名も無きものに.その名. 貰い受けたよ 月夜の灯りに. 照らされた切っ先に 咎(とが)の禊(みそぎ). 櫻(さくら)咲く頃に.と 秘めた心意気を於(お)いて. 前に進むのさ 震えた手に 添えられた温もり 永久(とわ)に あぁ.信じて 疵(きず)は.宵闇(よいやみ)にて 鈍く耀(かがや)いている 晴