響く声の中聞こゆ香り紅く 散りし薄墨がゆらり染まりゆく 滲む空の下一人立つ影は 銘(いろ)無き刃を高く振り翳し―― その手に宿る一条の閃光(ひかり) 刃に冴える薄氷(うすらい) 描く軌跡は誇らしき栄華 鮮やかに咲く花吹雪の色散らして 駆ける戦場に迫る黄昏朱く 散りし花弁(はなびら)がしとり沈みゆく 染みる冷たさは頬に残る雫 拭う事もせず迫る闇(さき)見据え―― 刹那をもって駆け抜ける閃光(ひかり) 刃で描く極彩 響く鼓動は気高き永遠 艶やかに匂(か)ぐ鳴神の音を刻んで 月影照らす一振りの閃光(ひ