咲き後れた 白い花が 薄紅に染まる 帰ることのない誰かを 待ち焦がるように 立ち止まった道の端に 常闇(とこやみ)が迫る 往く宛のない わたしを 縛り付けるように 誰にも 毀れる 月の雫 止める 術が ないのなら あなただけが 宿した 光を亡くして わたしは只 拭えぬ痛みを 抱いて 胸に残る 枯れない 悲しみを消して 静かに 罪を泣くの 忘れかけたあの日に 擱いてきたあなたに もう一度 逢いたい あなただけが 託した 想いを遺して わたしは只 震える瞳 閉じて 胸に残る 枯れない 悲しみを消して