誰や-誰や- 月夜に浮かんだ青白い祈り ちらほら灯して参りませぬか 白く身を包み紅い紅さして 今宵の宴は世に咲いた運命 流れ流れ渡し舟 連ね連れられる連 悪戯にとおせんぼ歌い踊り舞う 子狐の小唄は浮き世を知らず 百.二百 歩を読み 遠離り恋しやと泣けば 晴れ姿さえ報われぬ 誰や-誰や-私を愛してくれる者 その眼は 冷てえな姿を現す影法師 ある夜 姉様はもう帰りゃせんと そう言いなさって この道 去かれた 手招きしていた赤い彼岸花 この身もこうして後を追いましょう 黒い森を抜けふたつ峠越え 遥々む