人の定めというものは
もとより定められているものなのであろうか。
俺が此処へ来た道程を思うと
己の意思だけではなく
何かに、引き寄せられたような気がする
過去の慮外な出来事、
過ちや出会い。
幾つもの糸が絡み合い、
俺は此処に来た。
そうして、此処を居場所と決め
再び、剣の道に生きることを決めた。
天を見上げても、あの月も雲も、否、どのような者も、
そんな疑問に答えられはしまい。
言葉には出来ぬ答えがこの世にはある。
俺も、全てを心に蔵い、剣で語る。
一閃の業にて、一千の言葉よりも鮮やかに。
生きるということは、誰もが
命尽きる刻へ向かって進むことに他ならない。
其の事を、しかと胸に叩き込み、
命よりも己が信念を重んじ、歩む道。
其れが武士道というもの。
武士として生きると決めた時
人生は更に
明日をも知れぬものとなる。
其の覚悟がなくば、
真の武士としては、到底生きられまい。
明日、死すとも、前を向いて生きる。
目の前に深い霧がかかって何も見えずとも
心眼を頼りに、我が仲間と共に
俺は、気迫と刀を抱きて、進む。
一閃の業にて、運命は決まるのだと肝に銘じながら。
今宵は満月か。
滉々と輝く月は、この屯所をひととき淡き光で飾る。
此処が俺の居るべき場所だ。
運命に導かれ辿り着いたとしても、
己が意思で此処に来たとしても、
其れが、俺の答えなのだ。
明日のことは、あの月も、あの雲も、誰も教えてはくれない。
しかし、どのような明日が来ようと後悔はない。
そう、誰も知りえぬ未来なら
俺は仲間と共に、運命を斬り開く。
一閃の業に、己が一生を懸けて。
- 专辑:薄桜鬼 黎明録 キャラクターCD 幕末暁月抄 斎藤一・藤堂平助
- 歌手:鳥海浩輔
- 歌曲:一閃ノ業