とても長い戦争だったわ。私の家は田圃ニ反の水呑み百姓だったの。でも、父さんが出征したあとは、だれも田を耕す人がいなくなってしまった。母さんが心臓発作を起こして倒れて、田は荒れ放題になり、草はぼうぼうと生えていた。米びつの中はいつも空っぽだった。食べるものがなくて、盗みもしたわ。その頃、田を売らないか、という話があった。母さんは嫌だと言った。黒い鞄を持った借金取りが毎日やって来て、田を売ることをすすめたんだけど、母さんは半狂乱になって、父さんに申し訳がない、父さんが帰ってくるまでは、田を手放すことなんてできないと言っていた。だけど、その母さんも、まもなく死んだわ。そして、田は人手に渡ることが決まり、わたしは他の町の親せきに引きとられることになった。わたしは、真夜中にそっと起き出して、売られてしまった夜の冬田に、死んだ母さんの真赤な櫛を埋めたわ。夜になると、埋めた真赤な櫛が唄をうたった。畑をかえせ、田をかえせ、櫛にからんだ黒髪の、十五の年のお祭りの、お面をかえせ、笛かえせ、かなしい私の顔かえせ。私は焼跡の女巡礼、うしろ指の夜逃げ女、泥まみれの淫売なのです。.母さん、どうか生きかえって、もう一度あたしを妊娠して下さい。あたしはもう、やり直しができないのです。夢の中で、あたしは何度も田舎へ帰ってきたわ。そして帰ってくるたび、田を掘り起こした。すると、どこを掘っても真赤な櫛が出てきた。村中の田という田から、死んだ母さんの真赤な櫛、うらみの真赤な櫛、血で染めた真赤な櫛が、百も二百もぞくぞくと出てきた。そして、その櫛も口を揃えてあたしに言った。.女なんかに生まれるんじゃなかった..人の母にはなるんじゃなかった。
是相當漫長的戰爭啊。
我家是耕田的貧苦百姓。
但是,當父親出征之後,家裏就再也沒有耕田的人了。母親因為心髒病發作而倒下了。田地荒蕪、雜草叢生。米箱中一直是空的。沒有吃的,就只有去偷了。那個時候,有人提議把田賣了。
母親很不高興,拒絕了。每天拿著黑色的包出去借錢回來。雖然大家都勸說把田賣了。母親漸漸的精神失常,說對不起父親,在父親回來之前絕對不會從自己手上把田放走。然而,母親沒過多久就去世了。於是,田地轉手的事就這樣決定了,我也搬到了其他地方的親戚家去住。
在一個冬天的夜晚,我偷偷起來,在被賣掉的田裏,將已經死去的母親留下的鮮紅的梳子埋了起來。
每到夜晚,埋在土裏的鮮紅的梳子就開始唱歌。把田還給我,把田還給我,把纏繞在這梳子上的黑發,15年的祭日,臉還給我,把笛子還給我,把我悲傷的臉還給我。
我是火災遺跡中的女香客,被人指著脊梁骨在夜裏逃跑的女人,滿身是泥的賣淫女。是嗎?母親,無論如何如,請你再活過來吧,請你再一次生下我。我已經不能再重新來過了。是嗎?
多少次,我在夢裏回到了家鄉。每次回去都會挖開稻田。
於是,一挖開稻田,無論在哪裏,都會挖出鮮紅的梳子。死去母親的鮮紅的梳子,可怕的鮮紅的梳子,血染的鮮紅的梳子,100個,200個,讓人膽顫的一直被挖出來。然後,這些梳子都異口同聲地對我說,你不是作為女人被生下來的嗎?難道不該成為母親嗎?
- 专辑:田園に死す
- 歌手:J・A・シーザー
- 歌曲:化鳥の詩